COLUMN

コラム・事例

家族信託の手続

石井 満 代表社員
司法書士(京都第1278号)・簡易訴訟代理等関係業務認定(第112066号)・民事信託士・行政書士

家族信託の手続について、「結構大変そう。」と思われている場合が多いですので、以下簡単に流れを説明いたします。

①まずは契約書の内容の検討・決定!

(あ)託したい財産は何か?

不動産、金銭、自社株式を検討される方が多いです。不動産なら、「後継者に管理させたい。」金銭なら、「将来の老後資金や、ご障害のあるご子息の生活資金を管理させたい。」自社株式なら、「会社の議決権を確保したい。」などでしょうか。

(い)誰に託したいか?

託せる人(受託者)がいるかどうか、が家族信託のポイントとなります。その方に財産の名義を移してしまうことが信託の最大の特徴です。「名義を移転しても信頼できる。」ことが前提です。また、その方に、権限だけでなく、場合によっては、財産の管理上発生する費用負担等の責任も負わせる可能性のあることになります。

(う)何をしてもらいたいか?

大切な財産を託す「目的」です。受託者に何をしてもらいたいのか。受託者を通じて何を実現したいのか。です。

②契約書の作成→公証役場で公正証書にいたします。

契約書が作成できましたら、公証役場にて公正証書にして頂きます。公正証書にすることは法的な義務ではありませんが、信託契約が遺言の代用になることが多いことや金融機関等との今後の対応等を理由として、公正証書にして頂くことを強くお勧めしております。公証役場にて、託す人(委託者)及び託される人(受託者)に一度だけ立会頂きます。

③信託する金銭または信託で生じる金銭の管理用口座の作成

受託者になる方に、信託管理用の専用口座として、金融機関にて作成して頂きます。「委託者山本太郎信託受託者山本一郎」などと口座名を入れて頂くようにします。(金融機関により対応の差があります。)

④不動産について、法務局へ登記申請

受託者への名義移転を行い、1週間~2週間後に、受託者の権利書(登記識別情報)ができあがります。