【専門家監修】民事信託の手続き方法を分かりやすく徹底解説!
民事信託や家族信託という言葉をよく聞くようになりましたが、どのような手続きが必要なのでしょうか。
民事信託について、弊所にご相談頂いた場合の手続きの流れをご紹介します。
一般的な手続きの流れ
おおさか法務事務所に民事信託のご相談をされた場合、手続きの流れは概ね以下のようになります。
- ご相談
- 信託ご提案書の作成・ご説明
- お申込み
- 関係する金融機関への事前説明
- 信託契約書の文案作成・ご説明
- 公証役場にて信託契約締結
- 法務局へ登記申請
- 金融機関にて信託口口座を作成
- 手続き完了
お話をうかがった上で、信託契約の内容をしっかりと作り上げていきます。契約内容が固まりましたら、契約書を作成し、公証役場で信託契約を締結します。その後、法務局への登記申請や金融機関で信託口口座を作成し、手続き完了となります。
ご相談~信託契約の内容確定
民事信託は、委託者と受託者の契約ですので、まずは信託契約の内容を決める必要があります。じっくりとお話をお聞きしてそのご家族にふさわしい内容を検討します。契約内容が決まれば、それを文章化し、公証役場で契約締結、登記と進みますので、契約内容の確定が最も重要なプロセスとなります。
契約で特に重要なのが、①託したい財産、②託す人(受託者)、③何をしてもらうか(目的)、そして④出口(信託の終了)の4つです。
①託したい財産
民事信託は、全ての財産を受託者に託す必要はありません。委託者と受託者が信託する必要があると考えた特定の財産について、受託者が管理等をしていくことになります。例えば、収益不動産の管理が面倒になってきたので後継者に任せたいが、自宅については、建築したばかりで、売却も大規模な修繕も予定していない等信託していないと困る可能性が低いという場合には、収益不動産についてだけ民事信託契約の対象とすることも考えられます。
当方では、まず、何を託し、何を託さないのか。これらのポイントを説明させて頂いております。
②託す人(受託者)
民事信託は、財産の名義を受託者に移すことが大きな特徴です。財産の名義を移してもかまわないと思えるほど信頼している方がいるかどうかが大きなポイントになります。また、受託者は権限だけでなく、財産の管理上発生する費用負担等の責任を負うことにもなりますので、託される側にも覚悟が必要になります。
財産を託す側、託される側お互いに高度な信頼関係があり、委託者の思いを共有して受託者になっていただくことが重要です。
③何をしてもらうか(目的)
民事信託で受託者が財産の名義人となっても、受託者は信託契約で定められた「信託の目的」やそれに基づく「財産の管理方法」の範囲内でしか、財産の管理等をすることができません。民事信託は、あくまで受益者のために行われるものだからです。そこで受託者が適切に財産の管理等を行えるように、「信託の目的」や「管理方法」をどう定めるかが重要になります。
④出口(信託の終了)
信託には、その信託をした目的がある以上、必ずその終了があります。信託の内容を決めるにあたり、どの場合に信託を終了するのか、終了した際の財産の取得者を誰にするのかを決めることになります。家族信託の場合、相続によりその信託の役割が終了することが多いため、遺言の代用にもなることから、出口をしっかりとイメージして検討することが大切です。むしろ信託は出口をどうするかが難しいのです。
契約締結~登記
契約内容が決まれば、それを文書化し、公証役場で公正証書にしていただきます。民事信託の契約は、法律上は、必ずしも公正証書にする必要はありません。しかし、契約内容の正確性・明確性を担保するためや、金融機関の手続きで公正証書を求められることもあるため、契約書は公正証書で作成しておくべきです。
公証役場での手続きには、委託者と受託者の双方が立ち会う必要がございます。
公正証書を作成した後、司法書士が不動産の名義変更の登記を申請します。また、受託者になる方には、金融機関で信託財産を管理するための信託口口座を作成していただきます。
あとは、受託者が民事信託契約に基づき、信託財産の管理等を行っていくことになります。
まとめ
一般的な手続きの流れは、以上のようになります。
民事信託の契約締結は、あくまでスタートです。契約締結後、受託者が信託財産の管理等をしていくこれからの方が重要です。委託者の思いを実現するためにも、信託契約の内容をしっかり考え、決める必要があります。
どのような内容にするか、そもそも民事信託をするべきなのか、他の方法にすべきなのか。おおさか法務事務所では財産を託される方のご希望をうかがいながら、今後の財産の管理等について整理し、より適切な方法をご提案させていただきます。
まずは、ご相談ください。